一本の記事の長さにならなかった映画の感想。
ネタバレを含むかもしれない。
ターミナル
アメリアと結ばれなかったのは意外だった。更に空港の外に出てから、まるで空港の中での出来事が夢だったかのような気分になるのも不思議だった。「家に帰るよ」と言った時には、飛行機に乗るために空港に立ち寄るだろう彼を想像できないくらいだった。
感染症が流行っていなければ空港に遊びに行きたかった。
戦場のメリークリスマス
明らかに分かりやすい映画ではないので、序盤を見ている間は何一つ理解出来ないかもという不安な気持ちがあった。しかし最後のハラとローレンスのシーン、会話の様子が戦時中と全く変わっているのを見て少し腹落ちした。
公開当時にどんな風潮だったのかは分からないが、少なくとも今の自分が見ると戦時中の日本人の精神性は理解し難い。ただ、ベースは未だに染み付いている気もする。表出する振る舞いには個々の人間性の他に社会の影響が多大にあって*1、それが同時に顔を出すので矛盾の塊のように見える。
各々の登場人物がそのバランスを取るのに苦労している訳だが、ビートたけしの演技からはそれが何でもないように感じられて、異彩を放っていた。バランスを崩しまくっている坂本龍一の存在感も凄まじい。
見なければならないものがきっぱり切り取られたような構図が印象深い。セリアズの首には目が釘付けになった。
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
人間の味方となる怪獣かはどうやって判定しているのだろう。モスラは美しい、というのが何となくスライドして、善い、の扱いになっていたが誤謬にしか見えず気になった。研究機関*2がその方針では信頼がズタズタなのもさもありなん。味方であってもあんだけ街壊されたらほっとく訳にもいかないだろう。ハリウッド実写のリアリティラインだから気になるのかもしれない。
怪獣のスケールがよくわかるカットはカッコよかった。ゴジラとビル群とか。
CUBE
ホラーと聞いていたのでビビり散らしながら見た。スプラッター的ではある。ホラー特有のビックリシーンは多くはない。
割と何もかも謎のまま終わるが、ワースが言っていたあの建物が出来た理由の真偽は別として、メッセージ性がある気がして引っ掛かっている。
ただ何となく出来ていって、あるから使おう、使うと犠牲者が出るんだけど、となる現実のものが思い当たるような思い当たらないような。無意識に出来たものなら意識に登ってこないのも当たり前か。
マナーとかそういう、形のないものかな。マナーだって全て何となく出来たものという訳ではないだろうけど。
ウルフ・オブ・ウォールストリート
ジョーダンが離婚しても刑務所に入ってもずっと豊かに暮らしているのを見て、やはり金なのかと思わずにはいられなかった。そして投資は自己責任で。身に沁みる。
伝記ものは、プロットの全てが全ては舞台装置になっていない。だから全体が長くなるけど、省けない出来事も多くあるということがよく分かった。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
このつっけんどんというか、ちょっと突き放されるような感覚すら覚える作品を観たのは久しぶりだった。そんな中で際立って分かりやすいクェスのエディプスコンプレックスぶりが歯痒い。子供は嫌いなんて言っているシーンは自身のことも嫌いだと言っているように見えた。
アムロとチェーンはキスシーンに至るまでもなく、明らかに寝たことがある男女の仲が見て取れて不思議だった。距離が近すぎるんだろうか。今回、閃光のハサウェイが話題になっていたから観た訳だが、ハサウェイくんは結構な業を背負ってるじゃないの……。ブライトさんの心痛たるや。
シャアはヤバい奴という認識は元からあったけれども、改めて見るとアムロも普通にヤバい気がした。何がと言われると難しい。まぁそれも最後のララァお母さん発言でシャアの印象ばかりが強く残ってしまうのだが。