のっぺり

基本的にネタバレに配慮しません。アイドル(ほぼハロプロ)、漫画アニメゲーム、本、ごはんその他の話

まとめ7[映画感想]

一本の記事の長さにならなかった映画の感想。

ネタバレを含む。

 

インクレディブル・ハルク

作られた時期が近いだけあって、『アイアンマン』と雰囲気が似ている。そして、前半の凝った描写からヒーローものお決まりの展開に向かっていく構成も似ている。

アベンジャーズの方でハルクをやっているマーク・ラファロと本作のエドワード・ノートンの雰囲気が大分違うのだが、キャスト変更だと寧ろ似ていない人を選ぶのが定石なんだろうか。

 

トランス・ワールド

『CUBE』『残酷で異常』を彷彿させる、予算があまり無さそうで、短い時間に表現をギュッと詰めたような作品。

人物の描写が繊細で満足した。ファッションが一周していることで寧ろ大きく離れた時代の差に気付かないというのにはなるほどと感心した。

トムは生まれてこない人間になってしまったのか。ずっとあの円環の中に閉じ込められているのか。はたまた、セワシくんのように、遺伝子が違っても生まれてくるのか。*1

なんとも悲しい目をした人だった。皆が幸せになれるよう助力できたことが、彼にとって救いになればいいのだが。

 

ギヴァー 記憶を注ぐ者

ファンタジー色の強いSF。原作は児童向け文学だそう。

レシーバーの育成計画および規則の類があまりにも杜撰だったり、主人公が浅慮に見えたり、あの柱を超えるとどうして住人皆そういうことになるのか?だったり、引っかかるところが多い。90分程度に纏めるとこうなるのかもしれない。薬を断つことなく主人公を信じようとした親友が一番すごいのでは。

白黒の映像に色がつく演出は、ベタだけれど良く作品の内容に合っていた。

 

グランド・イリュージョン

フォー・ホースメンの人間性そんなに重要じゃない展開なんかい!最終的に黒幕の手の上でない、寧ろ出し抜く活躍を期待してしまったので拍子抜けした。

怪しい人物から目を背けさせるためなんだろうけど、フォー・ホースメンとしての4人の人間性に大きくスポットライトが当たらないまま、オチで映画の雰囲気が変わってしまった印象だった。

 

女は女である

ちょいちょいカメラに向かって話しかけるの、なんか既視感あるなと思ったら昔の少女漫画だ。メタ的な描写はこういうものが元ネタだったりするんだろうか。

しかし半分以上会話のノリが分からない。フランス文化が分からないからなのか、時代の違いなのか、ヌーヴェル・バーグだからこんな感じなのか、思い当たる節がありすぎて、フィクションぽいのかどうかもわからない。いや流石に家の中で自転車乗らないよね?コメディノリってことかな。

しかし画面は流石の美しさで、それだけは時代や文化を超えて伝わるものだなと感じた。カメラの首を振って人物を追う、家の中の撮り方が面白かった。

今ヤッとけば父親!と思えるのがよく分からないのと、何かとその気じゃない彼氏をその気にさせるには結局他の男と寝るしかないんかい!というところに若干納得できなかった。いてまえー!

 

セブン・シスターズ

思てたんとちが〜う!

ミステリーかサスペンス、スリラー的な作品なのかと思ったらアクション映画だった。

カレン・セットマンのベーシックスタイルが美しかった。あの格好がキマるって凄い。

*1:今回セワシくん問題の存在を初めて認識した。

まとめ6[映画感想]

一本の記事の長さにならなかった映画の感想。

ネタバレを含むかもしれない。

 

羊たちの沈黙

観よう観ようと思いつつグロ耐性に自信がなかったので後回しになっていた。どちらかと言うとホラー的な描写が怖かったが、昼間に観たので思ったより平気だった。

全編を通して緊張感がある作品だった。最後にクロフォードさんがクラリスと握手するところなんかも、あっ、クロフォードさんてクラリスとセックスしたいのかな…とか考えてしまって何か起こるのではないかと緊張した。

そして小説が原作だけあって、描写を重ねた上に朧げな輪郭を捉えるような作りだった。特にレクター博士のことは、意図的だろうが終始よくわからなかった。相手の個人的な情報を知ることで欲が満たされれば、他の欲が抑えられるのだろうか。

 

HELLO WORLD

ポスト君の名は。的映画が目指すところはやっぱりセカイ系と美しい背景美術なんだろうか。

映画の説明は多すぎても野暮ったくなるが、本作についてはもう一歩分かりやすい描写が欲しかったと感じた。

主人公が未来日記の通りに過ごし着々と彼女との距離を縮める様子にモヤッとさせつつ、そこから抜け出していく様子が滑らかで、じんわり暖かい気持ちになるエピソードだった。画も演出も脚本も、この辺りが一番美しかった。

いかにもフィクションで誇張されたキャラクターや台詞回しがストーリーにハマっていない気がした。いや、アニメなんだけど。

 

シコふんじゃった。

予想を裏切らない展開で、予想以上に面白かった。まさこが土俵に上がったシーンでは涙を禁じ得なかった。まさお……

まず画とカットの繋ぎ方がいちいちかっちり綺麗。特に仕切りのカットはどれもキマッていた。相撲にはあまり詳しくなく、火ノ丸相撲と本作の2本で断言するのはどうかと思うが、やはり相撲を撮るならこの角度が一番映えるのではないか。顔!腕!腿!という。

モックンの演技を初めて見たのだが、めちゃくちゃ顔が綺麗だけれど浮世離れしない不思議な雰囲気の俳優さんだと思った。

 

よこがお

面白いとかつまらないとかじゃなく、しんどくて途中で鑑賞を諦めようかと思ったのは初めてだ。全てが悪い方向に転がってしまう時、ある……

基子と和道が何を考えているのか分かるまでが特にストレスフル。2人が何を思って市子に接しているのかはっきりするにつれて、映画の全貌が分かり、市子が本人の知らぬうち*1に復讐が果たせていることに気付いた。基子もある意味で目的が果たせてしまっている*2。ただ当人に自覚がないのと、本人の意図通りでないのもあって、幸せに繋がってはいない。

紹介文には筒井真理子の多面性の演技が凄いとあったが、多面性というよりは寧ろ細やかに滑らかに人が変わるグラデーションを素晴らしいと感じた。

 

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

なぜ耽美系テーマの作品でトム・クルーズブラッド・ピットというキャスティングに?という、全員思ってそうなことを例に漏れず思った。

ただトム・クルーズは想定外にハマっていた。そういえばミッションインポッシブル2での長髪も似合っていたし、アクションのイメージが強いだけで画的には元々得意なのかもしれない。

 

スタンド・バイ・ミー

リバー・フェニックスの大人びた雰囲気が凄まじいと思ったら、撮影当時は15〜16歳くらいで、作中の設定より歳上のよう。体の大きい悪タレっていう設定にぴったりだ。

希望も絶望も段々分かってきた頃の、なんでも出来ると思う一方で無力感もある、ティーンの一歩前の描写が巧みだった。この年頃の心情を主題にするのが難しそうだし、他にあんまりなさそう。

*1:本当にわかっていないのかはちょっと微妙かも

*2:市子が四六時中基子のことを考えるようになったという意味で

百合の日なので百合映画の話

今日は百合の日らしいので、百合映画の話。

と言ってもとりわけ百合映画を好んで観ている訳ではない。

そもそもファムファタール的な女が出てくる映画が好きで、そういう女が狂わせるのは男の人生だけではなかったというだけのことかもしれない。たまたま出会った百合映画というのが正しい。

ネタバレを含む。

 

1964年公開、増村保造監督のもの。どんな関係の百合なのかと言えば、性愛。これを愛と言うのかはわからない。憧れや執着をこじれさせた何かにも見える。

自覚の薄いファムファタールが好きだけど、本作の光子は割と意識的に動いていそう。ただどこか無垢な雰囲気があるのはやっぱり若尾文子の力だろうか。

 

よこがお

ついこの間初めて観たばかりで、当初は市子さんへの同情的な気持ちが強かった。時間が経つにつれ、百合的な描写が効いてきた。

市子さんの魅力に入り込めなかったり、基子がちょっと子供っぽすぎるところが引っかかったりはした。だけど互いに互いのファムファタールで、関わり合う限りどちらの思うようにも行かないだろうところが後を引かせていると思う。

 

シークレット・ヴォイス

人生の10本に入るくらい好きな作品。

本作はメインの登場人物が女性ばかり。

記憶喪失の効果もあり、罪深くも美しくイノセントなファムファタール、リラ・カッセン。ヴィオレタがリラと仲良くなって恥じらいつつ嬉しそうにしている姿がなんとも愛おしい。一方でその関係を守るための選択があまりにもシビア。破滅的な展開も含めて美しい。

焼肉屋で酒が飲めないとひとつだけ困る

焼肉屋に行った。

焼肉の時は胃袋の中身を減らしておくよう心がけて、焼肉の気分にしてやらなければならない。その辺りも万全にして行った。

 

もうそろそろ常連と言って良いほど通っている店、いつも通りにビールから…と思ったら、ビールはノンアルコールしかメニューに載っていない。というか、アルコール飲料がメニューから消えている。

すっかり失念していたが、この辺りの店は自治体からの要請で酒類の提供を取りやめているのだった。

 

残念ではあるが、なにしろ焼肉屋だ。酒がなくとも白米と肉があれば十二分に楽しめる。一推しのハラミをしっかりタレにつけてご飯を食べた。いつも通り非常に美味しい。焼肉最高。

 

ただひとつだけ困ったことがあった。ユッケ*1だ。折角来たのだから頼まないわけには行かないが、ユッケだけは酒と合わせたい……たいけど無理なものは無理。

今回は白米と合わせた。それも美味しい。美味しいのだけど、やはり一番は酒との組み合わせだ。早くユッケと酒が一緒に食べられるようになるといい。

*1:この店では桜ユッケ。

野崎まど『タイタン』[読書感想]

『タイタン』を読んだ。

ネタバレを含む。読む前にネタバレを見ない方が良い作品だと思う。

 

ネットニュースか何かで、労働のなくなった世界が舞台の作品と知って手に取った。なんて羨ましいことだろう。読んだのは連休も終わりの頃だったので現実との差が酷かった。

 

本作作中でAIやロボットにすべての「仕事」を任せた結果、もたらされたのはモノに時間に余裕のある生活だった。なんと羨ましいことか。もし資本主義に終わりが来るのなら、こんな風に終わって欲しいと願わずにはいられない。そう上手くはいかないことは分かっていても、あんな風に穏やかな生活を夢想した。

 

AIに多くの仕事を任せる設定のSF作品では、大概AIと人間が対立する(偏見)。しかし本作で人間の面倒を見ているAIであるタイタンは人間を愛していて、人々も無意識下でそれを信じている。そこに通底する安心感があって、コイオスと内匠成果の旅を穏やかな気持ちで見守ることが出来た。神に愛されているような安心感とはいかほどのものだろう。

 

仕事が嫌いなので、仕事とは何かという問いにあまり深く考え込むことはなかった。しかしこの世界での趣味とはなんだろう。仕事という概念がないと考えると、趣味の輪郭がぼやけた。やることなすこと全て趣味になる。

最も印象に残っているのは、仕事をする自分を認めてもらえたことでタイタンに感謝している旨をナレインが打ち明けるシーンだ。何よりも仕事がないと生きられない人もきっとたくさん居るのだろう。現実世界にも。

ジャスティス・リーグ: ザック・スナイダーカット[映画感想]

スナイダーカットを観た感想。

ネタバレを含む。

 

映画にもアメコミにも、思い入れも強くなければ造詣も深くない*1。劇場版との違いがわからなかったらどうしようと思ったくらいだった*2

しかし4時間以上あるにも関わらず、特に退屈することなく最後まで鑑賞した。寧ろ時間を多く使っていることで、全体の流れの緩急がはっきりとして乗りやすくなっていたのかもしれない。

特別なファンでもないのに感想を書くのがなんとなく憚られるのだが、待ち侘びたという待望感がなくてもグッとくる作品だった。

 

ざっくりとしたあらすじは劇場公開版と同じなのだが、こんなにわかにもはっきり分かるほど、道のりがだいぶ異なっている。経緯はよく知らないが、違う作品だと思った方が良いのだろうか。

特にフラッシュとサイボーグ。キャラクターの掘り下げが大幅に増え、連携してユニティの結合を食い止めるシーンなどは息を詰めて食い入るように観た。

 

フラッシュが光速を超え相対性理論を飛び越えるシーンには目頭が熱くなった。彼に感情移入してのことではない。劇場版より描写が多かったとは言え、彼のバックグラウンドの掘り下げは深かった訳ではない。

あのシーンの、台詞、演技、スローモーション、構図、色味、音楽、スピードアップという彼の能力、すべてが噛み合い、目的を果たす描写が格別に美しかったのだ。

名狙撃手*3に脚を撃たれた時は正直彼はもうダメなんだと思ってしまった。まさかここでこんなにも渾然一体となった美しさを見せられるとは予想外だった。

 

そして間髪入れずにサイボーグの戦い*4

既に苦しみ抜き父との軋轢と和解を経て自己受容していたから、僅かな躊躇いすら織り込み済みだったようで、ほとんど迷うことがなかった。

三人並んだ家族の向かいでサイボーグの姿になったり、進む先に薄ぼんやりとジャスティス・リーグの面々が見えたのは、通常であれば過多というか、くどいくらいの描写だったかもしれない。しかしビクターが迷わず負の感情を否定するシーンだったからこそ、必要だったのだと思う。

フラッシュとはまた違う種類の、積み上げた描写からまっすぐ進むシンプルな感動があった。

 

スーパーマンワンダーウーマン、アクアマンについては単独作品の人物像と変わりなく*5、どちらかと言うとアクションシーンでの見せ場が多かったように思う。画面の美しい作品だった。戦いを終えて6人並んだシーン*6など、神性すらある。

 

で、バットマンだ。

本作のバットマンは、リーダーとしての尽力に描写の重きが置かれていた。バットマンvsスーパーマンを含め、彼の極めて個人的な感情の動きを、垣間見る機会すらなかったように思う。

 

それが最後の夢のシーンでの、ジョーカーとの押し問答。一体何が彼をこんなに駆り立ててしまうのだろう。(ジョーカーか……)メラとの会話のリーダーぶりからうって変わって完全に個人ではないか。

DCEUのバットマンはこんな奴だったか。今、そんなところでやり合っている場合なのか。ていうか、何の話をしているのか。ハーレクインとロビンの話なんじゃないかと思うけど、何があったらそうなるのか。事実なのか。片方がジョーカーの時点で考えるだけ無駄か。

 

しかし憎しみを剥き出しにする姿に震えた。心をガリガリ削りあう緊張感が堪らないシーンだった。2人で会話してるだけの、しかも今の時点では具体的に何があったのか分からないシーンにこんなに惹かれるとは。まぁ夢なんだけど、バットマンの暗がりを覗いたと思うと昂ってしまった。

 

劇場版もあり、どういう扱いになるのかがいまいち分からないが、続編の予定はあるんだろうか*7

*1:DC系映画の視聴歴はダークナイト三部作、マンオブスティール斜め見、バットマンvsスーパーマンワンダーウーマン2作、アクアマン、シャザム!、劇場版ジャスティスリーグ、ジョーカーといったところ。コミックは触れたことがない。ダークナイトワンダーウーマンが好きという、すごくよくあるパターン。好きである。

*2:前にジャスティス・リーグを観た時と違うところと言えば、ザ・ボーイズを鑑賞済みであること。スーパーマンを見てホームランダーを思い出し、走っている時に目を瞑るフラッシュを見てAトレインのように事故を起こさないか不安になった。

*3:あのスピードで走ってるフラッシュに一発で当てるってどう考えても並のパラデーモンじゃないよね?

*4:この連続性もまた良かった。息をつく間もなく畳みかけられ、大きく心揺さぶられた

*5:アクアマンはこの後の作品なので、変わりないというのは違うかもしれない。違和感がないという方がしっくり来る。

*6:真横の方と左奥から手前に向かう方、甲乙つけ難い!

*7:予定のあるフラッシュがとても楽しみになった!マルチバースってどんなんだろう

インスタントラーメンには落とし卵派

夜中にどうしても醤油ラーメンが食べたくなった。どう考えても身体に悪いので、虚空に向かって「醤油ラーメン食べた〜い」と放つなどしてなんとか自分を制した。

 

しかし起き抜けにフルの食事を食べられる体質なので、翌日の朝食をコンロ下の収納に入っている袋麺に決めた。本当に一番食べたいのは、ストレート細麺で上品に透き通ったスープの上品な醤油ラーメンだけど、そういうのは店に行かなきゃ食べられない。朝ラーメンをやっている店を見つけたとして、きっと外に出かける元気はないだろう。しかもあの袋麺、たまたま醤油だ。

なんだかとてつもなく楽しみに感じられてきて、布団に潜り、具に思いを馳せた。冷凍の豚バラがあったはず。あとは卵もある。

 

インスタントラーメンに入れるなら、落とし卵がいい。例外的に、塩の場合はかきたまでも良い。今回は醤油だから、きっと落とし卵にしよう。でも、黄身の熟し具合がちょうどよくならなかったり、白身がバラついたり、いつもあまり思い通りにいかない。

ググると、茹でているところに大さじ1の酢を加えれば、白身が上手く固まり黄身の固さも調整しやすくなるという情報があった。しかし家にあるのは最も安価なタイプの袋麺だ。麺を茹でた湯をそのままスープに流用する手順になっている。当然そこに卵も落とすつもりである。わざわざ卵とラーメンを別にする程の手間はかけたくない。

それって、スープがすっかり酢の味になってしまうのではないか。

 

起きるとまだ5時半だった。いくらなんでも早すぎる。どれだけ楽しみに思っていたというのか。二度寝を試みるも上手くいかず、7時には布団から出た。それでも早いが、目的を果たすまではまた寝ることなど出来ない気がした。

醤油ラーメンだ。朝インスタント醤油ラーメン。人間は自分で決めた幸福の条件を達成すると実際に幸せを感じられるとかなんとか。とにかくラーメン。小鍋に水を入れて火にかけ、卵を冷蔵庫から出しておき、常温にする。前夜からほったらかしの食器を洗い、スタートダッシュこそイマイチだったものの、ここ数日で急激な伸びを見せている豆苗の水を換え終えると、湯が沸いてきた。

説明書きを見ると、茹で時間は3分。先ずは麺を入れ、タイマー2分とSiriに伝えた。落とし卵の固さには、大きさ、温度、時間など様々なコンディションが関わってくる。今日の卵は少し小さいから、時間を短くするつもりだった。

タイマーが鳴ったところで卵を割り入れ、酢を目分量で投入した。少なかったかもしれないと思ったが、すぐに酢特有のツンとした匂いが広がった。酢、強い。

更に1分経ち、箸で卵をつついてみると、まだかなり柔らかく、液状であるようだった。半熟は好きだが、黄身が全てスープに溶け出してしまうのは本望じゃない。更に30秒待ってから火を止め、粉末スープを混ぜた。

 

丼に盛りながら気付いた。卵に夢中になるあまり、豚バラを入れ忘れていた。まぁいいか、今日の主役は卵だ。

食べてみると、たしかにいつもより卵が綺麗にちょうど良く仕上がっていた。白身が固まり、黄身は半熟。

スープはやはり酢が強く、酸辣湯麺のような味だった。決して不味くはなく、これはこれで美味しい。しかし、スープへの影響を最小限にしつつ卵を整えるくらいの、酢の分量を知りたい。コンロ下にはまだもう一つ、袋麺が残っている筈だ。