ガンダムucを観た。
ネタバレ含む。
全体
あらすじだけ聞けば単純に王道的なストーリーに終始するように思われるのだろうが、画の力、演技の力、演出の力が強く、いつの間にか入り込んでしまった。
特に表情や芝居が細やかだった。如何にもアニメ的なキャラクターデザインでありながら、無理を感じさせずに*1、表情から読み取れる情報が多くあり、見応えがあった。
きっと、すごく労力(と金)がかかっているのだろう。そういう画面を観るのは楽しいということを思い出した。
過去作との繋がり
ファーストガンダムは観たのがかなり昔で、本作には多くの繋がりがある筈なのだが記憶が朧げになってしまっていた。それでもブライトさんの登場シーンには心躍った。
逆襲のシャアは最近観たのでピンときた。ただファーストガンダムの記憶が薄いこともあり、シャアという男のキャラクターを掴みきれていなかった。フル・フロンタルの志がシャア・アズナブルのそれとは大きく違っていて、シャアの再来と言われながらも全くの別人であるとミネバが断定するシーンがある。が、シャアをあまり分かっていなかった為に、このシーンに至るまでに違和感を蓄積できていなかった。仕掛けを100%楽しめたとは言い難いのだろう。たぶん。
舞台装置としてのラプラスの箱
本作におけるラプラスの箱というのは、大人が自分で作っておきながら、処理しておきながら、雁字搦めになりどうにもならなくなった過去の遺物を表しているのだろう。なんとかしたそうなのになんとも出来ていないサイアムを見るに。
その舞台装置としての役割は理解するが、ラプラスの箱の最後の一文は"祈り"と表せるような美しいものに見えなかった。現代社会の価値観からすれば人種差別的な内容である。"祈り"としても何を祈っているのかよく分からない。連邦がその権威を毀損されない程度に加減して付加したのなら、どちらかというと"呪い"、のろいでありまじないであるように思われる。
その納得できなさが最後まで拭えず、終盤はあまり演出に乗り切れなかった。普段は演出ゴリ押しされてもノリノリになれることが多い単細胞の自覚があるので、影響は大きかったように思う。*2
マリーダさんが好き
マリーダさんにはもっと生きてほしかった。なぜなら好きだから。アルベルトのマリーダさんへの入れ込みは、やっぱ惚れたのかな。気持ちわかる。あとロニが好き。*3
バナージとリディがミネバにスコンと惚れるのはちょっと入りづらかった。恋に落ちると言うのはそういうもんと言われればそういうもんなのだろうが。