のっぺり

基本的にネタバレに配慮しません。アイドル(ほぼハロプロ)、漫画アニメゲーム、本、ごはんその他の話

インスタントラーメンには落とし卵派

夜中にどうしても醤油ラーメンが食べたくなった。どう考えても身体に悪いので、虚空に向かって「醤油ラーメン食べた〜い」と放つなどしてなんとか自分を制した。

 

しかし起き抜けにフルの食事を食べられる体質なので、翌日の朝食をコンロ下の収納に入っている袋麺に決めた。本当に一番食べたいのは、ストレート細麺で上品に透き通ったスープの上品な醤油ラーメンだけど、そういうのは店に行かなきゃ食べられない。朝ラーメンをやっている店を見つけたとして、きっと外に出かける元気はないだろう。しかもあの袋麺、たまたま醤油だ。

なんだかとてつもなく楽しみに感じられてきて、布団に潜り、具に思いを馳せた。冷凍の豚バラがあったはず。あとは卵もある。

 

インスタントラーメンに入れるなら、落とし卵がいい。例外的に、塩の場合はかきたまでも良い。今回は醤油だから、きっと落とし卵にしよう。でも、黄身の熟し具合がちょうどよくならなかったり、白身がバラついたり、いつもあまり思い通りにいかない。

ググると、茹でているところに大さじ1の酢を加えれば、白身が上手く固まり黄身の固さも調整しやすくなるという情報があった。しかし家にあるのは最も安価なタイプの袋麺だ。麺を茹でた湯をそのままスープに流用する手順になっている。当然そこに卵も落とすつもりである。わざわざ卵とラーメンを別にする程の手間はかけたくない。

それって、スープがすっかり酢の味になってしまうのではないか。

 

起きるとまだ5時半だった。いくらなんでも早すぎる。どれだけ楽しみに思っていたというのか。二度寝を試みるも上手くいかず、7時には布団から出た。それでも早いが、目的を果たすまではまた寝ることなど出来ない気がした。

醤油ラーメンだ。朝インスタント醤油ラーメン。人間は自分で決めた幸福の条件を達成すると実際に幸せを感じられるとかなんとか。とにかくラーメン。小鍋に水を入れて火にかけ、卵を冷蔵庫から出しておき、常温にする。前夜からほったらかしの食器を洗い、スタートダッシュこそイマイチだったものの、ここ数日で急激な伸びを見せている豆苗の水を換え終えると、湯が沸いてきた。

説明書きを見ると、茹で時間は3分。先ずは麺を入れ、タイマー2分とSiriに伝えた。落とし卵の固さには、大きさ、温度、時間など様々なコンディションが関わってくる。今日の卵は少し小さいから、時間を短くするつもりだった。

タイマーが鳴ったところで卵を割り入れ、酢を目分量で投入した。少なかったかもしれないと思ったが、すぐに酢特有のツンとした匂いが広がった。酢、強い。

更に1分経ち、箸で卵をつついてみると、まだかなり柔らかく、液状であるようだった。半熟は好きだが、黄身が全てスープに溶け出してしまうのは本望じゃない。更に30秒待ってから火を止め、粉末スープを混ぜた。

 

丼に盛りながら気付いた。卵に夢中になるあまり、豚バラを入れ忘れていた。まぁいいか、今日の主役は卵だ。

食べてみると、たしかにいつもより卵が綺麗にちょうど良く仕上がっていた。白身が固まり、黄身は半熟。

スープはやはり酢が強く、酸辣湯麺のような味だった。決して不味くはなく、これはこれで美味しい。しかし、スープへの影響を最小限にしつつ卵を整えるくらいの、酢の分量を知りたい。コンロ下にはまだもう一つ、袋麺が残っている筈だ。