のっぺり

基本的にネタバレに配慮しません。アイドル(ほぼハロプロ)、漫画アニメゲーム、本、ごはんその他の話

まとめ6[映画感想]

一本の記事の長さにならなかった映画の感想。

ネタバレを含むかもしれない。

 

羊たちの沈黙

観よう観ようと思いつつグロ耐性に自信がなかったので後回しになっていた。どちらかと言うとホラー的な描写が怖かったが、昼間に観たので思ったより平気だった。

全編を通して緊張感がある作品だった。最後にクロフォードさんがクラリスと握手するところなんかも、あっ、クロフォードさんてクラリスとセックスしたいのかな…とか考えてしまって何か起こるのではないかと緊張した。

そして小説が原作だけあって、描写を重ねた上に朧げな輪郭を捉えるような作りだった。特にレクター博士のことは、意図的だろうが終始よくわからなかった。相手の個人的な情報を知ることで欲が満たされれば、他の欲が抑えられるのだろうか。

 

HELLO WORLD

ポスト君の名は。的映画が目指すところはやっぱりセカイ系と美しい背景美術なんだろうか。

映画の説明は多すぎても野暮ったくなるが、本作についてはもう一歩分かりやすい描写が欲しかったと感じた。

主人公が未来日記の通りに過ごし着々と彼女との距離を縮める様子にモヤッとさせつつ、そこから抜け出していく様子が滑らかで、じんわり暖かい気持ちになるエピソードだった。画も演出も脚本も、この辺りが一番美しかった。

いかにもフィクションで誇張されたキャラクターや台詞回しがストーリーにハマっていない気がした。いや、アニメなんだけど。

 

シコふんじゃった。

予想を裏切らない展開で、予想以上に面白かった。まさこが土俵に上がったシーンでは涙を禁じ得なかった。まさお……

まず画とカットの繋ぎ方がいちいちかっちり綺麗。特に仕切りのカットはどれもキマッていた。相撲にはあまり詳しくなく、火ノ丸相撲と本作の2本で断言するのはどうかと思うが、やはり相撲を撮るならこの角度が一番映えるのではないか。顔!腕!腿!という。

モックンの演技を初めて見たのだが、めちゃくちゃ顔が綺麗だけれど浮世離れしない不思議な雰囲気の俳優さんだと思った。

 

よこがお

面白いとかつまらないとかじゃなく、しんどくて途中で鑑賞を諦めようかと思ったのは初めてだ。全てが悪い方向に転がってしまう時、ある……

基子と和道が何を考えているのか分かるまでが特にストレスフル。2人が何を思って市子に接しているのかはっきりするにつれて、映画の全貌が分かり、市子が本人の知らぬうち*1に復讐が果たせていることに気付いた。基子もある意味で目的が果たせてしまっている*2。ただ当人に自覚がないのと、本人の意図通りでないのもあって、幸せに繋がってはいない。

紹介文には筒井真理子の多面性の演技が凄いとあったが、多面性というよりは寧ろ細やかに滑らかに人が変わるグラデーションを素晴らしいと感じた。

 

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

なぜ耽美系テーマの作品でトム・クルーズブラッド・ピットというキャスティングに?という、全員思ってそうなことを例に漏れず思った。

ただトム・クルーズは想定外にハマっていた。そういえばミッションインポッシブル2での長髪も似合っていたし、アクションのイメージが強いだけで画的には元々得意なのかもしれない。

 

スタンド・バイ・ミー

リバー・フェニックスの大人びた雰囲気が凄まじいと思ったら、撮影当時は15〜16歳くらいで、作中の設定より歳上のよう。体の大きい悪タレっていう設定にぴったりだ。

希望も絶望も段々分かってきた頃の、なんでも出来ると思う一方で無力感もある、ティーンの一歩前の描写が巧みだった。この年頃の心情を主題にするのが難しそうだし、他にあんまりなさそう。

*1:本当にわかっていないのかはちょっと微妙かも

*2:市子が四六時中基子のことを考えるようになったという意味で