アニメの感想まとめ。重大なネタバレ含む。
コードギアスシリーズ
今更ながら、テレビアニメ2作、劇場版の復活のルルーシュを観た。キャラクターデザインを守った作画の安定感がすごい。いつもしっかりあの絵。
ピカレスクとしての魅力は言わずもがな、ケレン味たっぷりで、時代(デスノートが流行っていた頃)も感じられて、ギャグ回を挟みつつも中弛みせず、毎度引きのある濃厚な脚本だった。
ルルーシュを含めた登場人物の、誠実さと浅はかさ、人間臭さから来る綻びが物語の完成度を高めているように感じた。テレビアニメのラスト、あくまでルルーシュのもたらした束の間の平和であることも感じられた。
劇場版の最後は、あんなめちゃくちゃにされておきながらギアスを広めていいのかよと思った。ユーフェミア様が気の毒。
アクダマドライブ
かなりダンガンロンパっぽさを感じたけれど、表層だけなぞったような意味ではなくて、表現したいことをするとこうなる、というような似通い方だった。荒唐無稽な設定の中に人間っぽさを入れ込むのが得意技なのかもしれない。
上記は主に脚本の話だけれど、本作では黒沢ともよさんの"一般人が普通に喋ってる"演技が本当に何でもなさそうで、ギラギラのいかにも創作物的な画面で、ふと人の生きている世界であることを感じられる要素だった。
Vivy -Fluorite Eye's Song-
絵においても脚本においても物語の見どころが色々散りばめられていたんだと思うのだが、楽しむ要点が掴みにくかった。
オッドタクシー
まるでミステリー小説を読んでいるかのような気分になるアニメだった。気分は読書のようではあったけど、アニメの視覚効果を最大限に活かす作りになっていて感動した。アニメは記号や省略の芸術だ。だから登場人物を違和感なく動物として表現できるし、小説に画がないのを逆手に叙述トリックに持ち込むような、アニメならではの意図の隠し方もあった。
どういう人選なのか分からないが、芸人さんの声のぶっきらぼうさも良かった。*1OLMの正確で美しい線もめちゃくちゃハマっていた。またこういうアニメを観たい。
1話の冒頭から、この動物たちってもしかしてと思わせられたのが不思議だった。あの絵のどこにそう感じたかと言えば、地名の表示が影響したかも知れない。
ぶらどらぶ
80年代後半〜90年代前半*2のラブコメディ的な作品なのだが、ラブが少なくて物足りなかった。マイ→ミツグの描写はほぼない。ミツグとマイが同性なので、ちょっとやそっとの接近ではドキドキしないのが原因かも知れない。
ラブが少ないとなると当然コメディが多くなるのだが、コメディのノリが古いのか、単に脚本と合わなかったのか、ついていけない箇所も多々あった。
Sonny Boy
元々アニメ塗りが好きということもあって、このペタッとした、バケツ塗りが眼前に迫る印象の画面が結構好きだ。
ただ希みたいな女があんまり趣味じゃなくて、最初から最後まであんまり趣味じゃないムーブで入り込めなかった。どこがって説明するのが難しい。なんだろうな、悩みはあっても迷いと悪意がなさすぎる、フラットな愛と希望に溢れた感じが。
逆にラジダニくんにはうっすら影も感じて好きになってしまったので、皆の元を去ってしまった時は悲しかった。再登場した時はだいぶ嬉しかった。