今週のお題「手帳」
手帳は薄手でB6程度のサイズ、スケジュールのページは月めくりのカレンダーみたいになってて、マスの中に予定を色々書き込めるものと決めていた。
スマホを使い始めて大分経ってからも、扱いやすさや一目で予定を把握できることから、毎年12月頃には翌年用のものを購入していた。
ここ2年、新しい手帳を買っていない。
スマホに慣れたからとかではなく、ここ2年という象徴的な数字の示す通りもちろんCOVID-19の影響である。
予定がないのだ。予定がなくなったら手帳も必要なくなってしまった。
予定がないっていうか、もう予定を立てることが怖くなってしまっている。だってその通りに実行できる確率がかなり下がってしまった。
当日になって行くか行くまいかを考えるのが嫌になってしまい、イベントのチケットを取るのをやめた。
人に会う予定は前々から少なかったけど、この社会情勢がとどめになって人を誘う勇気がもう微塵もなくなってしまった。
結果、数日先のごく小さな予定くらいしかなくなったので、先々のスケジュールを気にする必要がない。
未来のことをあまり気にしないでも良い自由さは居心地良くも感じている。しかし、スケジュールを埋める楽しみは失われて久しい。
その良さには間違いなく手帳が寄与していたと思う。先々のスケジュールを埋めて、その日が迫るのを目に入れながら過ごす。予定通り行くと嬉しくて、予定通り行かないと残念に思う。
寧ろ、3年前までが異常だったのかもしれない。一寸先は本当に闇なのだ。
手帳を使っていた頃は意識していなかったけど、予定が予定通りやってくることへの期待は楽しかった。今は素直に楽しみとは言えない。平和だったのか。いつの世もままならないことがたくさんあるけど、今はあの時が平和だったように思えてしまう。