のっぺり

基本的にネタバレに配慮しません。アイドル(ほぼハロプロ)、漫画アニメゲーム、本、ごはんその他の話

まとめ14[映画感想]

映画の感想。ネタバレあり。

 

LIFE!/ライフ

イエスマン』に続く思い切りシリーズ。だけど、あちらに比べるとこちらの方は人生を変えたいという明確な目的があってではなく、内側からのなんとなくで動き出すので感情移入しやすかった。本当はずっとそうしたかったところもあるよな、という。

『ベンジャミン・バトン』未鑑賞の時に見て、作中に出てくるイメージがそのまんまだった。そういう人結構いるんだろうか。

 

ウォールフラワー

エズラ・ミラーが美しくて不安定でカリスマ性凄まじく、見応えがあった。写真より映像で更に美しくなる人だ。フラッシュとファンタスティックビーストしか知らないので驚いた。

最後のあれやっぱり性的虐待ってことだよな……あまり説明しない作品なので色々と主人公の表情頼りなのだが、そこも良かった。全体的に俳優の力が引き出されているのだと思う。

エマ・ワトソンは顔がめちゃくちゃ整って美しいけどアニメとか少年漫画みたいに線が強いので、ファンタジーとかではどハマりでもこういうリアリティレベル高めの作品では浮世離れした感じがする。主人公が彼女に一目惚れするシーンがあるので、そこの説得力を出さないと、と言われれば納得するかも。美しいものな。

 

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

タイトルに偽りなしの人生の話。フィンチャーにバイオレンスなイメージがあったので、もっとバイオレンスコメディー的な作品かと思っていた。ら、違った。人と違うことがどれだけ彼の人生を困難にしたのだろう。

数奇な人生の終わりに、愛をくれた人々を思い出すシーンに素直に感動した。語りも心に響いたけれど、画に感動するようなシーンが多くて、映画然としている。父と朝焼けを見るシーンもだし、幼い(中身は老人の)ベンジャミンとデイジーの口づけとか、画から伝わる愛しさと物悲しさに胸がギュッと掴まれたようだった。

 

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

邦題で長いのが流行ってたからこのタイトルなのかと思ったけど、普通に原題を翻訳したものだったようだ。

予想より辛い話だった。2011年の作品だけれど、9.11はその時点でこういう個人の話の映画にできる段階にあったのか……。

人との交流そのものが、たとえ苦手であっても、それ自体が温かいものでなくても、人の心を癒しほぐすことがあるのだと思う。

 

ニュー・シネマ・パラダイス

現代パートを長く感じてしまった。ノスタルジーは短い方が良いな。完全版を見たのが良くなかったかもしれない。

昔の映画にあまり詳しくなく、その辺りはあんまり分からなかった。チャップリンかな、あれ……くらい。音楽には聞いたことがあるものがあったが、特に本作用の劇伴という訳でもないようだ。

アルフレードが何を考えていたのかよくわからないままであるところに余韻を感じた。

 

ソウルフル・ワールド

見たタイミングがタイミングで号泣してしまった。なんだかよくわからない不安に塗れた心には効きすぎた。ディズニーで号泣したのは初めてかもしれない。

表現媒体としてのアニメの良さを改めて感じた。ファンタジックで記号的な異界、現実世界、"イマ"の切り取り、思い出、普通の世界、の全てを一本の映画に美しく違和感なく詰め込めるのは、アニメーションでしか実現し得ないだろう。

細部に至るまで人の手で作られた画面ならでは、メッセージが映像表現に詰まっていて、説得力がある。印象深かった言葉もたくさんあったけれど、何よりも画、目で感動していることを意識せずにはいられなかった。『ベンジャミン・バトン』でも同じようなこと言ったけど、こちらの方がより意識的にメッセージを受け取ったと思う。

 

どうして人間は生きるのが段々下手になってしまうことがあるのだろう。現実には自分の代わりに誰かが感じて教えてくれることはないから、都度自分で思い直すしかない。今を生きることに熟達したい。難しい。