のっぺり

基本的にネタバレに配慮しません。アイドル(ほぼハロプロ)、漫画アニメゲーム、本、ごはんその他の話

怒り[映画感想]

怒りを観た。

ネタバレを含む。

 

ジャンルとしてはミステリーやサスペンスにも分類されているが、なんとなく、この3人の中の誰も犯人ではないのではないか?と思いながら観た。警察が中盤に登場するまでは。

この映画が事件の真相を解き明かすことや犯人の心理を追うことに重きを置いているとは思えなかったからだ。ただ、犯人を知りたくなる気持ちも正直ある。終盤で判明してスッキリもするが、分からないままでも然程モヤモヤはしなかっただろうと思う。

 

では何を見る作品なのかと言うと、近くに指名手配犯に似ている人がいる、と思っている人たちの葛藤だ。

だからストーリーの流れやプロットからはみ出す勢いで、個人の有様をぶつけられるような感覚があった。元々映画に限らず何でも、全体を見るのが不得意というのもあってそう見えているのかもしれない。指名手配犯という繋がりがあるということが頭の片隅にあったくらいだった。

 

当然、俳優の演技の比重が大きくなる。凄みがあった。宮崎あおいの小動物みたいに大きい黒目が怖かった。迫真の人間は怖い。この人の目の前に立っているのが自分だったら応えられるだろうか、という怖さだ。池脇千鶴は登場回数は多くないものの、加えて鋭さがあったので洋平(渡辺謙)が気の毒だった。田代くん(松山ケンイチ)はもう戻らない気がしていたので意外だった。よかったよかった。

妻夫木聡は登場人物としてのキャラクターを感じさせない人間になっていた。序盤の暴力的なシーン*1では何を考えているのかよく分からず怖さを感じ、そういうキャラクターなのかもと思ったが薄れていった。直人(綾野剛)はもう先が短いなら多少教えたれよと思わないでもなかった。最も犯人っぽくなかったが、最も謎が多く、人に話したくないことが多いと周囲からこんな風に見えるのだなと思った。

そして文句なしに怖かった森山未來。他人を緊張させるのが得意な人なんだろうか。爆発してるシーンより爆発寸前みたいな時が一番怖い。トチ狂ってる演技って陳腐になりがちだと思うのだが、本当に怖かった。

*1:『デッドライン』で読んだヤリ部屋ってこういう場所だったのか……と思った。

まとめ4[映画感想]

一本の記事の長さにならなかった映画の感想。

ネタバレを含むかもしれない。

 

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

トム・クルーズ強化月間。

ドバイのホテルでのやりとりはザ・スパイ映画というスリルがあった。高いところが怖いので、映像で見るだけで汗が滲んだ*1。モロー*2は恐ろしい死に方で気の毒だった。

ジェーンの色仕掛けが下手くそなのがなんだか新鮮だった*3。格闘シーンもかっこよく、レギュラーに定着しなかったのが残念。

 

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

トム・クルーズ強化月間。

前作まではなんだかんだイーサンのワンマンプレイになりがちだったのが、少しずつイーサンが仲間に頼ったり意志を尊重したりという向きになってきた。頑張れベンジー

そもそもレギュラーがほぼルーサーだけだったのだから仕方ないのかもしれない。そういえばルーサーには頼ってた。

 

ミッション:インポッシブル/フォールアウト

トム・クルーズ強化月間。

イーサンは毎回身内からも疑われての四面楚歌なのだが、それもやむなしというくらい暴れすぎなのである。どう見ても。レーン以外をあまりにもバカスカ殺すので何故レーンを殺さないのかが確かに謎だ。

そして今回やっと長官が終始味方でいてくれた、が、死んだ。IMFの人材不足が深刻。CIAもカオス。*4

レーンの目的が世界を滅茶苦茶にすることで、多くの国を巻き込んで核も持ち出して……が解決したとすると次回作は一体何をするのだろう?既に8本目まで予定されているそうだが。まだ生きてるっぽいしレーン?

 

アニマトリックス

『Final Flight of the Osiris』と『Matriculated』以外は日本のアニメっぽいと思ったら実際日本の制作会社に作られていた。*5それらはどれも自由自在な世界マトリックスならではの表現で、画を面白く美しく動かすことに力が入れられていた。アニメーターのアニメって感じだ。

『Matriculated』はテーマが面白くて、余韻が残った。思うようにいくことなどこの世界にはほとんどないのかもしれない。

 

マトリックス レボリューションズ

メロビンジアンのところに交渉に行くくだり、取引するとか言いつつ条件出されたらほぼ考える余地もなくトリニティーが暴力で解決してて笑った。本当に取引するつもりあったのか?よくリローデッドでネオがキスを迫られた時にじっとしてたな。

プログラムには目的があるが人間にはない*6という語りが印象的だった。では役割のないプログラムとは何なのか。元よりコンピュータの作りは人の作りと似ている。家族なんかも出てきてプログラムの擬人化っぽさも増した。マトリックスにおける人間とプログラムの差はなんだろう。

プロットとしては戦争が完全に終わったとは言えないと思うが、ひとまずシステムからは抜けかけている。続きを作ると聞いたけど、どんなことをやるのだろう。

 

GODZILLA ゴジラ

ゴジラ経験が少ないので合っているか分からないが、『シン・ゴジラ』が特殊なのであってこちらがベーシックなゴジラなんだろうか。

主人公の運がミラクルがかっている。帰れてよかったね。

*1:壁を登るシーンはトム・クルーズによるスタントだと聞き更に変な汗が出た。

*2:髪が長くて『デス・ストランディング』とは大分印象が違う。

*3:女スパイに対する偏見。

*4:ウォーカーが『マン・オブ・スティール』のスーパーマンだということにしばらく気付かなかった……髭で印象変わりますね

*5:オシリス号の方はスクウェアUSAとのことなので微妙なのかもしれないが。何がジャパニメーションぽいのかは画面から判断しているが、何が違ってどう判定しているのか具体的な説明がしづらい。

*6:ないというか、死ぬために生きてる。

まとめ3[映画感想]

一本の記事の長さにならなかった映画の感想。

ネタバレを含むかもしれない。

 

イヴの時間

00年代後半の深夜アニメを彷彿とさせるグロー効果のかかった画面。2021年現在より未来を想定しているだろうけど、携帯がガラケー。00年代感が凄まじい。

心の有無は置いておいて、コミュニケーションを取れる何かに入れ込まずにいるのは難しい人が多いのだろう。真崎くんとテックスの交流にはグッときた。涙の跡*1が切ない。

でも一本で完結せんのかーい!分からないことだらけで終わってしまった。

 

ミッション:インポッシブル

トム・クルーズ強化月間。彼の演技を見て不思議に感じるのは笑うタイミング。しかも満面の笑み。なぜ今満面の笑み……。そしてジャン・レノがまた殺し屋!*2

スパイもののワクワクは独特だ。コミカルなスリラーだったり、お洒落なドラえもんだったり。

話が複雑なのはスパイが題材なのでしょうがないのだが、一部演出がわかりづらく感じた。具体的にはイーサンがジムと話しながら推理しているところ、モノローグと会話の区別がつかず混乱してしまった。

 

ミッション:インポッシブル2

トム・クルーズ強化月間。ロン毛*3が似合う。いちいち笑顔のタイミングが不思議だと思ってたら本作で敵に突っ込み入れられてて、共感を禁じ得なかった。

1作目よりサスペンス・ミステリー的要素が薄まり、ロマンスとアクションへの拘りが強めの仕上がりになっていた。

この、寅さんのヒロインというかボンドガールというか、メインヒロインの女性は毎回変わるんだろうか。峰不二子のような積み重ねの表現も見たい。

 

ミッション:インポッシブル3

トム・クルーズ強化月間。渋みが増し短髪になっている。脇役にもキャラが与えられていた。4にも出てほしい。*4

そして技術の進歩がスゲー。無印では現実味がなかった各種スパイ道具が、かなり"ありそう"に見えるようになった。時代という意味では、背景の設定に00年代後半のアメリカの悩ましさも感じられた。*5

前作よりサスペンスの割合が増えてバランスが良くなっていた。普段は推理しながら見ないのだが、ブラッセルがディヴィアンと通じているはずなのにイーサンを捕らえた点で読めた。読めると嬉しいけど、その後の感情の起伏が減ってしまう。

 

チョコレート

レティシアとハンクの間には最初から最後まで、恐らくこの先もずっと、溝がある。だけれども、それを埋めようと努めたり受け止めたりする姿に見入った。そして結局埋まらなかったままならなさにこそ、見応えがあった。

観ている間ずっと辛い結末を予想してハラハラしていた。そうはならなかったけど、踏み出したのはまだまだ最初の一歩なのだろう。特にハンクについては。

 

マトリックス リローデッド

ザイオンすら、予言者すらシステムの一部だったって分かるところはプロットとしては面白いのだが、引き換えに宗教性による輝きが失われてしまったようで寂しい。特にモーフィアスは。しかし彼らが悩み苦しむのが新たな見どころでもある。

新鮮なアクションも健在。棒持ってグルグルのアイディアはどうやって出てきたんだ。更にカンフーに本場カンフーの方が加わってキレが増している。

*1:そう見える表現であって、実際涙を流した訳ではないんだろうけど、何なんだろう。

*2:サンプルは『LEON』だけなんだけども。今回は殺し屋ではないのかもしれないが、佇まいが。

*3:し、死語…

*4:あとアーロン・ポールが出演していて、いつもこういう若干ヌケサクな若者役なのか?と思った。サンプルは『ブレイキング・バッド』のジェシーだけなんだけども。

*5:『アイアンマン』や『ダークナイト』はそういった世相を反映しているらしいという話を聞いてから意識するようになった。

マトリックス[映画感想]

マトリックスを観た。

ネタバレを含むかもしれない。

 

名作は色褪せないを地でいく作品だった。もう20年以上前のSF作品だから、大いには期待していなかった。とんだ思い違いで恥ずかしい。技術が発達すればより良い映像が作れる訳ではない、映画を面白くするのはそれ自体ではないということを思い知らされた。

 

重力を無視したいかにもなワイヤーアクションすら、マトリックスがプログラムによる仮想世界という前提に立つと最も説得力があり、魅力的な表現だった。画面への気合いの入り方が半端じゃない。絶対にイケてる映像を撮るという意志の元に作られただろうイケてる映像の数々。堪らない。別に構図のプロでも専門家でもないし、学んですらいないんだけど、それでも感じずにはいられないこのキマりっぷり。

色彩も印象深い。マトリックス内での全体的に緑がかった、しかしながらわざとらしすぎない彩度が、自然に世界観に没入させてくれる。序盤の赤とのコントラストにドキッとする。オレンジとは不思議な調和をする。黒との組み合わせは作品を象徴する色遣いだ。

いちいち面白い画なので、ずっと心躍らせながら見ていられた。アクションの見どころをカッコよく見せてくれるし、そもそもアクションそのものがカッコいい。壁を蹴って走るアクションやスローの演出はたまに見るけど、こんなにも効果的にカッコよく使われていると新鮮に感動する。キマっているんだけど、難解な画面ではなかったのも良かった。構図を面白く感じるためには、ベースが堅牢であることも必要不可欠なのだと思った。

 

ストーリーやプロットは寧ろ王道的だった。一方で難解で思わせぶりで、意味を考え込みたくなる台詞回しも多かった。画面の作りと似ていると言えるかもしれない。

通底する宗教性*1に不思議な魅力がある。宗教性そのものと言うよりも、信じることに迷いのないモーフィアスと、迷いながらも選択をしていくネオのキャラクターに、かもしれない。

*1:信じる、救世主、預言者というキーワードからキリスト教的であると感じたため。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||[映画感想]

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を観てきた。

ネタバレを含みます。

***

 

まず準備体操をしておいて本当によかった。4本で一つの作品になっているので、最低限の前提として序破Qは押さえておかねばならない。序からシンまで実に14年近くある*1が、太い一つの筋が通っている作品だ。

*1:公開日で。

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シン・エヴァンゲリオン劇場版:||の準備運動[映画感想]

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||が二度の延期を経ていよいよ明日公開ということで、準備運動を始めた。

内容は序破Qについてで、ネタバレを含むかも知れない。

 

概要

序破Qと見直す。何せ最後に観たのがいつのことやらという状態なので、割と新鮮な気持ちで鑑賞した。

ただ、テレビアニメ版*1から旧劇場版*2、または漫画版をベースに考えはする。自分にとってエヴァは既に特別なものなので、まっさらからこれを観た人がどう思うかは想像がつかない。でも今の自分だって以前ほど熱を上げているような状態ではない。心が動かなくなっていたらどうしようかと思ったけど、要らぬ心配だった。

 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

序を初めて観た頃より自分が成長したことを感じた。シンジくんの胸中のなんと複雑で繊細なことか。

 

まだテレビアニメ版をリビルドしたような部分が多く、最後の渚カヲルを除けば大筋に大きな違いはない。けれどもギャグ・日常パートは少なく、シンジくんが初号機やらゲンドウやらミサトさんやら学校やらネルフやらに戸惑い、迷い、傷つきながら選択する様子にフォーカスしているので、よりシンジくんの胸中を色々と想像しながら観ることになった。彼の心情をもっとデコボコに認識していたけど、滑らか*3に感じ取ることができた。

怖いし責任は重いしエヴァに乗りたくないのに、そこにしか居場所を見つけられない。こんな状況で自分で選びなさいとか言われても……*4

今まではシンジくんがレイに自分を重ねていることに思い至らなかったけど、今回の鑑賞では自然に入ってきた。*5もしあのままレイが死んでしまったら、エヴァにしか居場所がないと思っている人が、永遠にエヴァだけを居場所にしたままになってしまう。それは、似た思いをしているシンジくんにとって悲しいことだっただろう。

 

しかしシンジくんが弱冠14歳と思うと大変気の毒だ。コミュニケーションは確かに難しい。シンジくんはその辺未熟かもしれないし一筋縄でいくタイプでもないから尚のことだけど、何より大人がわかってくれなさすぎる。ゲンドウは言わずもがな都合の良いようにシンジくんを扱うし、ネルフ全体の大雑把さったらない。酷すぎ。シンジくんの代わりがいないならそんな雑ではダメなのでは。

 

あと今更改めて宇多田ヒカルがすごい。この映画を締め括る、透明感があって力強い楽曲。

 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

アスカが出てくると全体の華やかさが段違い。画面も、雰囲気も。

そしてエヴァの走るシーン、躍動感があってカッコいい!ロボットじゃなく人造人間なので曲線的、動きがしなやかで軽い。バレーボール選手のよう。バネのありそうな脚。

人間パートのシーンとシーンの性急な繋ぎ*6も好きだし、テンポが良い。2時間以内で急いでる感じもさせない。*7

 

アスカはアスカでエヴァにしか居場所がないと思っているんだけど、彼女はエヴァで結果を出すまでと覚悟を決めており、跳ねっ返りではあるが努力もしている。更に、レイとの共通点を見つけて少し気持ちを前に進めたシンジくんとは違い、自分は特別で他の人とは違うということをアイデンティティとし、拠り所にしていた。そんな彼女の、優しさを出さずにいられなかった様子が微笑ましかった。

 

皆でご飯食べてほしかったし、アスカが身を引いたことが報われて欲しかった。ゲンドウが食事会に参加しようと思ったのはレイとユイさんを重ねたからでもあるし、それだけではない。と思ったらこの事態で更に親子間に亀裂が走る。今回はゲンドウの立場も分かる。子供たちが少し大人になる過程だった。こうして人と摩擦すること、自分の願いを自分で叶えることを身をもって学んでいる。序でもそう言ったシーンがなかった訳ではないが、いくらなんでも話が急すぎて気の毒だった。

 

シンジくんまた3番目発言*8もそうだったけど、トウジの動向にちょっと不穏な演出がなされているのは並行世界を意識させるためなんだろうか。

 

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

今回配信を観る時にコメント欄を覗くまで、ここまで評価が両極端に割れている作品らしいことを知らなかった。評判が良かった破から方針が180度変わったことを考えれば当然か。とにかく、Qが好きなのでそういうことに思い至らなかった。しかし今回破と続けて見たら、思ったより破と断絶していなかった。サードインパクトが起きたのだから、こういう事態もやむなしだ。

 

しかしヴィレがいくらなんでも説明不足アンド説明不足で序盤が見ててしんどい。序でも同じことを思ったが、シンジくんに首輪をつけて繋いでおきたいなら優しくして籠絡すべきと思うのだけど、エヴァの登場人物は嘘をつかない。悪い意味で。都合の悪いことは嘘じゃなくて説明しないという方向でなんとかしようとする。嘘も方便って知ってますか。

 

序破はなんとなくタイトルの意味を想像できるのだが、Qは正直よく分からない。

散々悩み抜いてエヴァに乗ろうという意志が固まった直後*9エヴァには乗るなと言われる。現実での14年の歳月を考えれば当然だが、見知った親しい人はほぼいない。別人になっている。本当に何もなくなって、突然現れた何もかも都合が良すぎる渚カヲルに頼るしかない。結果、フォースインパクトを起こしてしまう。

三段構成としての急ではなくQの意味からすると、何かを加速させているはずなのだが、なんだろう。ファイナルインパクトまでの時間を縮めたこと?序破Qが全てゲンドウの立場からのタイトルであれば、確かにしっくりは来る。

 

過去最高にシンジくんが気の毒なのだが、何故か好きな映画なのだ。本当に何一つ思う通りに行かないところが良いのだろうか。そうかもしれない。

 

シン・エヴァンゲリオンへの期待

折角なので何が見たいかを考えてみたけど、そんなに詳しくは期待していなかった。何も期待せずに見られるのが一番良いと思うので、序破Qの連続性を心に保ち、このまま劇場に行きたい。率直にシンが楽しみ。

*1:これも朧げ

*2:アンド朧げ

*3:といっても絡み合ってはいる。唐突さを感じず繋がりを意識できる程度の意味。

*4:そんで途中から乗れと言わなくなるのも狡いと思った。乗りなさいって、最初は言ってたじゃん。更にQではアレだし。

*5:レイちゃん可愛いから気になるよね。ぐらいでスルーしてた。恥ずかしい

*6:上手く説明できないのだが、余韻なく短めにブツッと切って次のカットと同時に音がドン!って入る感じ。

*7:シン・ゴジラ』は流石に急いでいるように感じた

*8:渚カヲルによる

*9:14年経っているがシンジくんにとっては直後だ

鬼滅の刃のヒットで楽しかったこと

10段階評価で6ぐらいの漫画アニメオタクと自認している。鬼滅の刃のヒットは当然認識しているし、掲載誌はジャンプでテレビアニメの制作会社はユーフォーテーブルということくらいは知っている。原作も10話くらいまでは読んだ。キャラクターの顔と名前も、10人くらいは一致する。

 

昨年一年間、人に会う機会はめっきり減ったものの、本当〜に色んな方から鬼滅の話を振られることが多くなった。先方も3以上くらいのオタクという認識で振ってくれているのだろうが、きちんと作品に触れている訳ではないのであまり盛り上がらず申し訳ない。*1

 

それでも面白く感じたのは、普段アニメを語らない層からも感想を聞けたことだ。10段階評価と言いつつ、0も有り得るようなジャンルである。6のオタクのコンテキストから見た印象と全く異なっていたり、一致することもあったり、興味深かった。

 

結構びっくりしたのは、作者の吾峠先生が女性なのではないかというニュースが出た時の反応。その真偽は置いておいて、絵柄を見る限りはかなり女性的で、女性向け作品の文脈があると感じる。男性だという話であれば驚くが、女性であるというニュースには何の意外性もない。しかしどちらかというと驚きを持って迎えられたニュースだったようだ。

このように、絵柄に対する感想については世間との乖離を痛感した。感想というか、好みを含まない印象についてだ。前提の情報を持っていないと感じられない印象であることを改めて認識した。

一方ストーリーやキャラクターに対しての印象はオタク度*2の差に比例して大きく変わらないことが多かった。普段から漫画やアニメを観ていなくてもドラマや映画や小説でストーリーには触れるのだから、当然と言えば当然か。

 

流行と言ってしまうと少し空虚な気持ちになってしまうが、共通のコンテンツについて人が感じたことを聞けるのは楽しい体験だった。これが無茶苦茶好きな作品だとちょっと冷静に話を聞けないので、たまたまそこまで触れていなかったのも運が良かった。時間が出来たらテレビアニメ版にも触れてみようかと思うけど、もし好きになってしまったらちょっと困るな。

*1:かと言ってこれがエヴァだったらそれはそれで盛り上げられないしやりづらいんだろうけど。

*2:こんな安直な言葉使うの恥ずかしいんだけど、他に思いつかないのでお許しください