のっぺり

基本的にネタバレに配慮しません。アイドル(ほぼハロプロ)、漫画アニメゲーム、本、ごはんその他の話

2022冬クール[ドラマ・アニメ感想]

既に5月も終わろうとしているが2022冬クールのドラマ・アニメの中で最後まで観たものの感想。

途中で視聴をやめたものもあり、途中で一度感想を書いておけばよかった。今季からはそうしている。

 

ドラマ

恋せぬふたり

恋人のフリをする話で、あ、そういう感じ?と構えてしまった。が、それでなあなあにして何とか生活していく話ではなく、真面目なドラマなのだと認識した。

 

初期のカズくんとか誇張されすぎではと思わなくもなかったけど、物心ついてからずっと毎日毎日分かり難い常識にうんざりさせられていることを凝縮したら、確かにこうもなるか。もうひとつ、いくらなんでも恋愛でここまで他人をぞんざいに扱えるだろうか…と思ってた千鶴ちゃんのルームシェア中止のくだりも実は別の理由だったし。

その後、もし分かってもらえたら、の先が描かれていたところが見どころだった。分かってもらえたら、では自分は分かろうとできるか、向き合ってどんな答えを出すことができるか。

咲子のイノセントで前向きなキャラクター、根がいい人の多い世界がやや物足りなかった。相互理解や自分の選択を諦めなくて良いということにフォーカスしているんだからそういう作品であると言われればその通りなので、完全に自分の趣味の問題。小説『正欲』くらい辛辣だと見てられなかったかもしれないし。

高橋一生さんがいると、デフォルメが効いてる感じもするのにグッと日常に寄る感じもあって不思議な感じ。

 

子供を作るとか欲しいとかいう話は性的な話につながると思うので高橋さんに聞けないのはそりゃそうだと思うんだけど、なんで子供の話になると性的なことに関係ないことになっちゃうんだろう。アロマンティックアセクシャルではなくても、一般的に当たり前とされている性愛の常識に対して何か変だな、違うな、と思うことは色々ある。子供の話以外にも。

 

鎌倉殿の13人(1クール目時点)

学生時代にまともに勉強しておらず日本史をしっかり学ばなかったので、気軽にざっくりとした歴史の流れを学べて良い。描写のどこまでが史実なのかは確認しておく必要があるけど、歴史を学ぶ時に何が難しいって流れを掴むのが一番難しいので、俳優さんの顔のイメージと併せた人間関係から出来事を学べるのは大きい。一瞬しか登場しないような人物も木村昴*1だったり濱正悟*2だったりするので、知っていれば印象に残る。

 

成人してから大河をまともに見たことがなかったんだけど、流石に日本で一番金がかかってるドラマだな…と思ってるけど違うのかな。子供の時分は家族が見ているのをなんとなく一緒に見ていた。平家のなんか海が見える屋敷みたいなところだけちょっと作り物感が強すぎた。そういう装飾の部屋なのか、海が見えてるのか判断しかねている。

登場人物が自分勝手だったり感情的だったり首尾一貫してなかったり揺らぎが多いのは三谷節なんだろうか。描写がコメディに寄りすぎていないので、リアルな偶然性みたいに感じられて結構好きだ。

あとはキャスティングも良い。皆ハマっている。小栗旬さんってこんなに柔軟に色んなことができる俳優なんだな。北条時政の結構めちゃくちゃなのに人間臭さが強くて全然嫌な感じがせず寧ろ好感度が高いのも、脚本はもちろんのこと俳優さんの力も大きい。

 

例に漏れず、これからは義経の活躍が楽しみ。フィクションの義経は色んなパターンがあるけど、見た目は判官贔屓バリバリ効かせられそうっぽいのに中身が全然そうじゃないのは初めて見るパターンかもしれない。頼朝は坂東武者との間に埋めがたい溝があって、義経はあんな感じだけど源氏としての連帯感があるっていうのが良いままならなさ。

 

真夜中にハロー!

アイドルに助けてもらう、っていうコンセプトには共感するのだが、ステージの上の彼女たちが一番魅力的だと思っているので、あんまり観客と同じような目線で話してしまうとなんか違うと思ってしまう。ファンからアイドルへのコミュニケーションは一方的なものと思っているので、彼女たちがステージに立っているところを見ると何という訳でなく心に強く響いてしまって、結果支えになってくれる、という感覚が自分としては近い。

そういう意味だと、アイドルから特定の観ている人へ意識が向きすぎているのも、違和感が大きかった理由かもしれない。歌っている時の撮り方も、アイドル側の「見られている」という意識が強い時の方が好きなので。juiceのひとそれ回はステージの上で歌うのを主人公が観客として見る形式だったので好き。それはそれとしてjuiceは最終回近くまで出番がなくて焦った。ファンなので。

 

各話の主人公はハローの曲に出てきそうな、どこか不器用な感じの女性が多かった。ただこの話だったら他にもっと合う曲があるような、という回もあったので、全てが曲での当てがきではないような気がしている。お父さんの回あって不思議に思ったけどあれは元々娘の方が主人公だったりしたのかな。でも状況的にはお父さんが頑張るところだろ、という。

最終回の、ミサキちゃんがアクスタに向かってお母さんをよろしくって言ってるところと、友人の扉がオープニングのオチャノーマに繋がるところが好き。

 

となりのチカラ

松本潤さんが父親を演じているのを見て時の流れを感じた。花男で時が止まってしまっている。2005年。ウッソォ…

チカラくんの慌てふためき悩み落ち込む姿が、タイトルからして来年の大河『どうする家康』と似たような香りがしているが果たして。

 

一昔前ならさして目新しくもないご近所人間ドラマってことになりそうなんだけど、人様の事情に口を出すことが良くないこととされる今だから、やることに意味がある作品になっている。と思う。

細かいことが気になったり、結果を予想すると何もできなくなったり、それで何かしたとして、果たして力になれるだろうか。寧ろ邪魔になるのではないか。お金出せる訳じゃないし、責任も持てないし。今、人の助けになりたいと思っても、実際に行動を起こすまでのハードルはめちゃくちゃ高い。作中、主人公はほっといてくださいとも言われまくっている。

フィクションだけど基本的に無茶はせず、諸問題はそう簡単に解決しない。でも相談、対話、人との関わりそのものに力があるということを描いた作品だった。

実際、現実に相談に乗ってくれる人がいたら、解決しなくても少しだけ気が楽になると思う。チカラくんもそれを目指している。

でも相談を受ける人の立場になると、多分かなり距離感が難しい。相手を怒らせたり、不快な気分にさせたりすることを避けられないだろう。それって別にご近所問題じゃなくても、人との関わりの中では必然なのだ。

ただ今の自分が人付き合いのコストを節約しているから、本作が途方もなくフィクション的であるように感じてしまう。これだけのコストをかけられるのは、そういうことが好きな人間だけ。やろうと思えば自分にもできることがあるかもしれないけど、今のところ全く余裕がない。

 

気になったところ。

中越家の問題解決はそれでいいの!?

ちょっと拍子抜けしてしまった。おばあちゃんを施設に入れる話は現実的な選択が必要になっただけに。

あとチカラくんが解決するってことになってるけど、あかりちゃんがしばらく1人で頑張っていたにしても協力しないのかなとか。

 

マリアさんの妊娠中絶の話

男の同意がないとできないっていうのが引っかかってしまってムカついてしまった。現状そういう病院が多いんだからこういう描写になるのはそうなんだけど。男の責任とか言う前に自分の身体のこと自分で決めさせなよ。マリアさんが本当に産みたくないって思ってたら最悪の展開じゃん。

 

・上条くんの件

解決バランスに納得がいかず……土下座なり就職先の世話なりもっと頑張らないといけないほどのことをしているよ、管理人さんだけじゃなくて住民も。上条くんに偉そうなこと言ってないでもっと申し訳なく思ってくれ。

 

アニメ

東京24区

PSYCHO-PASS』っぽくはあるけどまだあそこまでガチガチに管理されてない、その手前の世界の話。

RGBのキャラ付けも聖女のようなアスミの存在もコッテコテにフィクションのアニメっぽいのだが、政治や選挙の都合やらカバ先生が死んだやらシュウタがずっと悩んでるやらの題材とミスマッチな気がして入り込めなかった。

シュウタは凡庸で迷ったり悩んだりすることが仕事なんだろうけど、あまり他二人と釣り合いが取れていないようにも思った。リアルであるとも言えるけど、やはりつい見てしまうような魅力があって欲しかったというか。コッテコテじゃないところに惹かれたい気持ちがあった。

 

キャラクターデザインがハイキュー!!っぽい。これもアニメっぽい。カットの繋ぎが凝ってるのが良かった。これもアニメっぽい。カルネアデスのデザイン最初見た時にしょっぱいなーと思ったけど、取って付けた役割なのでわざとだったみたい。

 

時光代理人

美しいアニメ。構図も凝っててカッコいい。中国の風景が馴染んでて、海外アニメっていいな。色味があんまり見たことない感じ。

たまに絵の動きが自主制作っぽい感じになる時があるんだけど、プロの絵と比べてどこでそう判断してるのか自分でもよくわからない。動きのぶつ切り感とか?でも枚数少なくても感じさせないものもあるし…動きの動線かなぁ。

1クールで終わるのかと思ったらそうじゃなかったのでちょっと残念。

 

鯖喰いビスコ

これ、ラノベ原作だったのか。画の迷いのなさから絵がある作品が原作、またはオリジナルアニメなのかと思ってた。世界観が作り込まれていて楽しい。

ミロとビスコが喧嘩するところとか、シンプルなことを丁寧にやるシーンの演出で盛り上がった。丁寧じゃない回は何が起きてるのか見ただけでは分からない時もあった。ビスコとミロの顔が好きなんだけど、丁寧な回は顔も美しくて眼福。

 

ビスコとミロがこれはもうデキてるだろ……と思っていたので原作のネタバレを踏んで驚いたのだが、7話で納得。パウーがビスコをしっかり口説いてるし、これは好きになっちゃうわ!ビスコ可愛いじゃん!しかしその後のビスコとミロの信頼関係の描写にも唸った。いややっぱりデキてる。

 

何人か違和感というか、声優さんが無理に声出してる感じがするキャラがいて喋る度にひっかかってしまった。

ビスコが死んでミロが1人になった時、EDの歌唱も1人になってたのがミュージカルみたいで良かった。

*1:輪るピングドラム』、『ピンポン』好き

*2:ルパパトと『恋せぬふたり』で覚えた